Azure Stack 活用セミナー

Azure Stackの拡張性について(デマに惑わされない)

Azure Stack関連記事、第三弾です。

関連記事は以下です。

 

今回は、Azure Stackに関して、現時点で出ている否定的なネット上の記事にあまりにも誤解を招く表現があったので勝手に反論してみたいと思います。

その記事に直接リンクを貼る・・・のはやめておきますが(大人の事情)、その記事には以下のようなことが書かれています。

  1. Microsoft Azureの豊富な機能を使いこなしているユーザー企業にはAzure Stackは向かない(Azure StackではAzureの全ての機能を備えていないから)
  2. 全ての業務システムをAzure Stackで稼働させるのも難しい(拡張性はラック1本に収まる範囲であり限界があるから)
  3. Azure Stackはハイパーコンバージドと呼ばれるジャンルの製品と競合する。Azure StackにはMicrosoftによる運用サービスが付加されている点が異なる。

私に言わせると全部間違いです。

1に関して。Azure StackはAzureの拡張であり、Azureを使いこなす企業にこそ1番向くものです。それはマイクロソフトが1番主張していることでもありますし、合わせてハイブリッドでつかうことにより最大の効果が発揮されるものです。このことに関しては「Azure Stackは誰がどう使うと幸せになれるのか?」でも述べました。より具体的な技術的な話はまた他のエントリで解説したいと思います。

3に関して。確かにAzure Stackのアーキテクチャにはハイパーコンバージドという要素もありますが、それはほんの一部分であり、そこは本質では全くありません。Nutanixと競合しているのはWindows Server 2016自体ですよね。ハイパーコンバージドを実現するStorage Spaces Direct、ハイパーバイザーのHyper-V、管理手法を提供するMMC、ちょっと先だとHonoluluですとか。System Centerまで含めてもいいかもしれません。が、このあたりは見解の違いもあろうとは思います。でも、Azure StackとNutanixを比較するのはレイヤーが違いすぎてて…。

で、1番気になってしまったのは2の拡張性に関して。確かに現段階でのAzure Stackの拡張性に制限はあるのですが、その情報を間違って理解しているとしか思えないです。

現時点で拡張性に関して発表されているのは以下です。

Azure Stackは、ユーザー専用の1つのAzureリージョンと捉えることもできます。GA時点では、1つのAzure Stackリージョンに1つのスケールユニット(1つのスケールユニットは最小4ノード、最大12ノードで構成)が配置可能になっています。2017年中にスケールユニットが最大16ノード構成に拡張され、1リージョンに複数のスケールユニットを配置可能になります。また2018年中には、リージョンをまたがる地理的冗長性やスケールに対応する予定です。

「Azure Stack」のスケーリング

引用元:ASCII.jp:ついにGAした「Azure Stack」、“オンプレ版Azure”は何に使える?

確かに現時点(GA時点)では1つのAzure Stackの環境の中に1リージョン、1スケールユニットしか作成できずそれも最大12ノードです。ここをさして「拡張性はラック1本に収まる範囲」と言ってるのだと思いますが、2017年中に1リージョン中に複数スケールユニットを配置可能になればまだ上限は不明ですが、1企業のインフラ全てを扱える程度には拡張可能となるでしょう。

#でも、現状でもAzure Stackのシステムを複数買って動かせば全システム動かせると思いますが…。

…でも、私がもっと伝えたいのはMicrosoftがすでに何を成し遂げているかということです。MicrosoftはAzureや様々な世界規模のサービスを構築し、運用し続けているのです。

そんなMicrosoftにしてみればAzure Stackを「完全にAzureと同じ設計」にしていいのであればそれは簡単な話だったろうと思います。それこそハイパースケールで実装できます。が、それではエンタープライズには合わない…ということで「スケールダウン」させることに非常に苦労しているはずなんです。規模の拡大ではなく規模の縮小に苦労しているのってクラウドの世界ではMicrosoftくらいなのではないかと…。

そんなAzure Stackの下回りで台数の制約に1番からんでいそうなのはあきらかにWindows Server 2016のフェールオーバークラスタとStorage Spaces Directですよね。そこに関しての今後の拡張のロードマップはigniteの以下のセッションで語られていました。

このセッション中ではClusterを束ねて管理するCluster Setの概念、機能が解説されています。

この機能を使ってAzure Stackも今後の拡張を担保していくものと理解しました。

Azureですでに実現されていることをスケールを小さくしてWindows Server、そしてAzure Stackで実現していくことをMicrosoftは今後ずっと継続的にしていくことを顧客にコミットしているわけです。「スケールダウン」させた実装を一貫性をもって行い続けることは非常に難易度が高いとは思いますがMicrosoftにしかできないことだと思いますし、素晴らしいビジョンだと思います。

なによりも、「継続的にクラウドとともに機能向上し続ける」プラットフォームを「今の状況」のみで評価してそこで何かしらの烙印をおしてしまうのは大変に残念なことだと思います。次の製品までのリリースサイクルに数年かかっていた昔ならいざしらず、それこそクラウドサービスの登場初期からの鬼のようなスピードでの改善と技術革新を私たちはずっとリアルタイムで体験し続けてきました。Azure Stackはまさに改善スピードもクラウド同等であることが宿命付けられています。オンプレミスの社内システムがクラウドと同じように進化し続けてどんどん勝手に便利になっていってしまうなんてワクワクしませんか?

 

さて、今回もセミナー告知を入れさせていただきます。是非お越しいただけましたら!

プライベートクラウド?ハイブリッドクラウド?Azure Stack 活用セミナー | JBS 日本ビジネスシステムズ株式会社

AzureStackセミナー

概要およびアジェンダは下記の通りです。

日時 2017年10月16日(月) 
14:00-17:00( 受付開始時刻 13:30 )
開催場所 虎ノ門ヒルズフォーラム ホールB
東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズ森タワー4F
地図はこちら
定員 100名
参加費 無料 / 事前申し込み
※同業者様のご参加をお断りさせて頂く場合があります。あらかじめご了承ください。
共催 日本マイクロソフト株式会社
日本ヒューレット・パッカード株式会社
日本ビジネスシステムズ株式会社
14:00-14:10

ご挨拶

14:10-15:00

マイクロソフトが目指す真のハイブリッドクラウド

”ハイブリッドクラウド”は多くの企業が目指す方向の1つとなっています。そして、マイクロソフトの Intelligent Cloud – Intelligent Edge 戦略もまた、強くハイブリッドを意識したものになっています。本セッションでは、Azure Stack という他社にはない新しいサービスの話を中心に、これから始まる新しいハイブリッドクラウドについて解説します。

日本マイクロソフト株式会社
パートナー技術統括本部
パートナーテクノロジーストラテジスト
高添 修 氏

15:00-15:40

本命!「HPE ProLiant for Azure Stack」大解剖

ヒューレット・パッカード・エンタープライズは、Windows Server や SQL Server の開発標準機として採用されている「HPE ProLiant DL380」をベースに、マイクロソフトと共同開発で「HPE ProLiant for Azure Stack」を提供開始します。技術面での親和性はもちろんのこと、オンプレミスで必要となる「障害対応」や「予算」までも考え抜かれた、一歩先を行く Azure Stack の全貌を HPE のエキスパートより解説いたします。

ヒューレット・パッカード・エンタープライズ・カンパニー
アジアパシフィック地域統括
リージョナルアーキテクト
小川 大地 氏

15:40-15:55 休憩
15:55-16:45

JBS が Azure Stack に期待すること、お客様と一緒に成し遂げたいこと

JBS ではすでにエンドユーザーとして Azure Stack の自社導入を決定し、SIer として Azure Stack 関連サービスも展開していく見通しです。Azure Stack について、これまでパブリッククラウドを様々な理由で使えなかった組織にとって理想的な製品なのか、クラウドをまだ利用していない組織にはマッチしない製品なのか、その実態や有効な活用方法に注目が集まっています。
JBS がどのように自社利用し、どのようにお客様にサービスを展開していこうとしているのかをお伝えします。

日本ビジネスシステムズ株式会社
パートナーアライアンス本部 クラウドアライアンス開発部
部長 胡田 昌彦 (Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management)

日本ビジネスシステムズ株式会社
パートナーアライアンス本部 クラウドアライアンス開発部
井上 千恵美

16:45-16:55 質疑応答
16:55-17:00 御礼
子供3人。家族優先。都内SIer勤務。Windows系中心のインフラよりの何でも屋。脱原発。 Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management.

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